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不動産投資についての考え方をご紹介します。

なぜ賃貸物件を持つのか

日本の株式の配当利回りは2%程度ということです。2千万円を投資すると40万円を配当として受け取ることができます。株式一銘柄に投資すると莫大なリターンを得られる奇跡的な可能性はありますが、リスクは高いと言えます。このサイトでご紹介している不動産投資のイメージは、2千万円で年間100万円の戻りです。月に8万円程度の収入がプラスされます。不動産もリスクは当然ありますが、一つの物件の価値が株式のように毎日変化し、時に乱高下を繰り返すことはなく、売却すれば投資した額を高い確率で回収できると考えられます。資産を保全しつつ、お金に働いてもらってリターンを得るためには、賃貸物件を持つことは合理的な選択肢の一つです。

米国を選ぶ理由

アメリカの不動産取引は、非常に透明性が高いと言えます。取引が終わると権利の移転を証明する契約書がカウンティ(郡)のウェブサイトに登録されます。そこで売買金額も明示されます。すべての取引が公になるので法外な価格で販売することはまず不可能と言えます。また、エスクローによって購入代金は売買契約が履行されるまで、第三者が保管します。購入前に独立した専門家に家屋の検査を依頼することもできます。このような制度やサービスが確立されており、日本と比較してもアメリカの不動産取引の透明性の方が高いと言えると思います。そして、更には、アメリカは先進国でありながら、人口が増加し、確実にインフレが起きており、資産価値が上がっていく環境が整っていると言えます。

メンフィスを選ぶ理由

メンフィスはアメリカ南部テネシー州にある人口60万人程度の中規模都市です。国際宅配便のフェデックスの本社とハブ空港があるように、アメリカの東部中部南部のへそのようなところに位置していると言えます。エルビスプレスリーの邸宅があることが有名で、アマゾンやナイキのウェアハウスがあり、賃貸物件に住む人が多いことから不動産投資のマーケットとしても知られています。このメンフィスでは、まだ10万ドル以下でも物件を買うことが可能です。12-13万ドル出せば、雰囲気が良いストリートに建つ3ベッドルーム一戸建てが購入できます。大雑把に言うと、2千万円の投資で年間100万円のリターンが期待できます。カリフォルニアは50万ドルないと不動産投資ができませんが、メンフィスではそれなりの資産を持っていれば物件を買えます。また、メンフィスがあるテネシーには州税がありません。メンフィスというマーケットを活用すべき価値があると思います。

KFS(成功への鍵)

ハワイの物件を10年所有した経験から言うと、適切な物件を買うということを除けば、鍵は二つあります。一つは、借り手の選択を間違わないこと。アメリカでは賃貸に住もうとすると、クレジット(経済的な信用度)や過去の履歴を調べられたり申告したりする必要があります。これをテナントスクリーニングと言いますが、しっかり家賃を払ってくれて変なことをしないような人を選ぶことがまず重要です。もう一つは、物件の管理です。テナントから問題の報告があった時に、素早く適切な対応ができると満足してもらえます。そうすると長く住んでくれることにつながります。ただ、物件の所有者として、直接これらのことは行いません。管理を委託した会社にやってもらうことになります。そうすると、本当の意味での鍵は一つで、良い管理会社を選ぶことが成功への必須条件です。

CFK(キャッシュフローが優勝)

50代の前半までは、投資した物の価値が上がる(キャピタルゲイン)がすべてだと思っていましたが、最近は変化があってキャッシュフローを生み出すものこそ価値があると考えるようになりました。それは、会社員生活の終わりが近づいているので収入を生む手段を好むようになっただけでなく、投資によりキャッシュというリターンを得られれば、不確かなキャピタルゲインよりも確実に稼げると実感したからだと思います。英語には、Cash Flow is King.(キャッシュフローが王様)という言葉があります。給与や年金以外に収入があれば余裕が生まれます。それがドルの収入なら大きな意味を持つはずです。

購入の具体例

私自身が2023年に購入した物件を具体例としてご紹介します。物件は3ベッドルームの一戸建てです。価格は約11.5万ドルでした。すべて現金で購入したので諸費用は3千ドル程度。LLCの設立、事前のインスペクション、住宅保険などで2千ドル。合計で12万ドル程度の支出でした。家賃は950ドルで、管理会社の手数料が約10%です。残りが収入として残ります。所有物件に問題が起きない限り追加の出費はありません。購入した物件は、完全に改築されたものですので、当面は追加の出費が発生する可能性はとても低いはずです。